「家系ラーメンは究極の風邪薬だ」と紹介されることもあるほど、多くの人々から愛される食べ物である。濃厚な豚骨醤油スープと太いストレート麺、トッピングとしてのほうれん草やチャーシュー、海苔といった具材が特徴だ。だが、一般には「高カロリー」「塩分過多」「不健康」というイメージを抱かれがちである。しかし、実際にはその楽しみ方次第で健康的な食生活に取り入れることも可能である。ここでは、家系ラーメンを健康的に楽しむためのポイントについて紹介する。
具材を活かせ! 麺より先に食べる
家系ラーメンには栄養価の高い具材が豊富に使用されている。代表的なものは、ビタミンや鉄分が豊富な「ほうれん草」、タンパク質たっぷりの「チャーシュー」、そしてミネラルが含まれる「海苔」だ。これらを上手に活かすことが健康的な食べ方の鍵となる。
重要なのは「具材から先に食べる」ことである。具材を最初に食べることで血糖値の急上昇を抑える効果が期待できる。具体的には、まずほうれん草や海苔をスープに絡ませて食べ、次にチャーシューを楽しむ。この順序で食べることによって、糖質である麺を後回しにすることが可能になり、結果として食後の血糖値コントロールに寄与するのだ。

スープは残す勇気を持つ
家系ラーメンの魅力の一つに、濃厚でコクのある豚骨醤油スープがある。しかし、このスープには大量の塩分が含まれており、全て飲み干すことは健康上好ましくない。一般的な家系ラーメンのスープには一杯あたり5~6グラム程度の塩分が含まれている場合が多い。これは、成人の1日あたりの推奨塩分摂取量(男性7.5g、女性6.5g)に近い値であり、無視できない数値である。
健康的に家系ラーメンを楽しむためには「スープを残す勇気」が必要だ。半分以上を残すのが理想だが、どうしても飲みたい場合は一口二口にとどめる意識を持つことが大切である。
食べた後は1駅歩く
家系ラーメンは比較的高カロリーな食事であるため、食べた後に何もしなければエネルギーが脂肪として蓄積されやすい。しかし、食後に適度な運動を取り入れることでカロリー消費を促進できる。おすすめは「1駅分歩く」ことである。
例えば、電車を使う際に1駅前で降りて目的地まで歩く、あるいは帰り道を遠回りするなど、日常の行動に少し工夫を加えるだけで運動量を増やせる。食後に15~20分程度の歩行は血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できるため、ぜひ習慣にしてほしい。
塩分さえ気を付ければ家系ラーメンは健康フード
家系ラーメンは一見「不健康なジャンクフード」の代表格に思われがちだが、見方を変えれば栄養バランスに優れた要素を持つ食事でもある。豚骨スープにはコラーゲンが含まれており、骨や肌の健康に良い成分だ。また、麺はエネルギー補給に最適で、ほうれん草や海苔といった具材はビタミンやミネラルを豊富に含む。
ただし、最も気を付けるべきは「塩分」である。スープを飲みすぎないこと、注文時に「薄め(味薄)」を選ぶことなどで塩分摂取量を抑えれば、家系ラーメンは十分健康的な食事となる。

結論
家系ラーメンを健康的に楽しむためには、以下のポイントを押さえることが重要である。
- 具材を先に食べることで血糖値の上昇を抑える
- スープは飲み干さず残す
- 食後に1駅分歩くなど適度な運動をする
- 塩分摂取に注意し、薄味を選択する
これらの工夫を取り入れれば、家系ラーメンは単なる高カロリーな食べ物ではなく、健康的な「栄養補給食」として楽しむことができる。風邪の予防や体力回復にも役立つ一杯を、ぜひ日常生活の中で上手に取り入れてほしい。