近年、日本のコンビニ業界では深刻な人手不足が続いています。
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の調査によると、2024年の調査で全国のコンビニ店舗数は約5万7000店にのぼりますが、その約7割が「慢性的な人手不足」を訴えています(※出典:JFA統計資料 2024年版)。
このような状況を支えているのが、外国人留学生を中心としたアルバイト人材です。とりわけベトナム、ネパール、中国出身の留学生が多く、店舗運営の大きな柱となっています。
しかし、多くの外国人アルバイトが卒業とともにアルバイトの資格(留学ビザでの資格外活動)を失い、そのまま正社員として雇用したいと考えても簡単ではありません。ビザ(在留資格)要件を満たさなければ、就労は認められないためです。
本記事では、外国人アルバイトを卒業後に正社員として雇用するための要件や注意点について、法律的な根拠に基づき、初心者にもわかりやすく解説します。
卒業後、正社員で雇用は可能か?
結論から言えば、業務内容や学歴、取得可能なビザの種類によっては正社員としての雇用は可能です。
しかし、コンビニ業務の多くは「単純労働」に該当するため、誰でも簡単にビザ変更が認められるわけではありません。
この点をしっかり理解して、雇用計画を立てることが重要です。

単純労働では「技術・人文知識・国際業務」ビザは取得できない
外国人が卒業後に正社員として働く際、多くの場合、「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)という在留資格を申請します。
このビザの要件は、「専門性を有する業務」に従事することです(出典:出入国管理及び難民認定法(入管法)別表第一)。
しかし、コンビニの次のような業務は「単純労働」と見なされ、技人国ビザでは認められません。
●レジ業務
●品出し
●清掃
●接客一般(単純なオペレーション中心)
そのため、こうした業務を主とする正社員雇用は、入管審査で不許可となる可能性が極めて高いのです。
正社員雇用が可能なケースとは?
それでは、どのようなケースなら正社員雇用が可能になるのでしょうか。
以下の条件を満たす場合、技人国ビザでの就労が認められる可能性があります。
① 専門性を活かした業務内容にする
店舗業務(レジ・品出しなど)以外の業務で、学歴と業務内容に整合性がある場合は許可されやすくなります。
たとえば:
●経理担当として雇用する(会計学専攻など)
●マーケティング担当として雇用する(経営学・マーケティング専攻)
●エリアマネージャー候補として管理業務に従事させる(ビジネス・マネジメント専攻など)
●多言語サービス対応・インバウンド対応の企画職(国際ビジネス専攻・語学専攻など)
重要なのは、業務内容が明確に単純労働と区別されていることです。名ばかりのポジション設定では、入管に不自然だと判断され、申請が不許可とされます。
② 学歴要件を満たす
●大学卒業者:比較的柔軟な扱いがされやすい。
●専門学校卒業者(専門士の称号が必要):卒業分野と職務内容の一致が厳しく求められる。
専門学校卒業者の場合、「学んだ内容」と「業務内容」の関係が重視されます。
たとえば、IT系専門学校を卒業した人がエリアマネージャー職に就くのは合理性に欠けると判断されることがあります。
実際の申請手続きの流れ
1. 卒業予定の時期を確認する
在学中に申請準備を進め、卒業後すぐに在留資格変更申請ができるようスケジュール管理を行います。
2. 業務内容・職種設計
- 職務内容書を明確に作成
- 単純労働を含まない内容に設計する
3. 雇用契約書の準備
- 正社員雇用であることを明示
- 業務内容を具体的に記載する
4. 在留資格変更申請
- 入国管理局に対して「留学」→「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行います。
- 審査期間の目安:1〜3か月程度
よくある誤解・注意点
誤解① 「卒業したら正社員にできる」
→ 単純労働中心の業務では不許可。
必ず専門性のある職種・業務設計が必要。
誤解② 「専門学校を卒業すれば何でもOK」
→ 専門学校の場合、分野の一致性が強く問われる。
大学よりも入管の審査は厳しい。
誤解③ 「一部だけ管理業務に入れておけば大丈夫?」
→ 主たる業務内容が重要。名目だけの管理職はNG。
勤務実態が審査の対象となる。

まとめ:計画的な準備が成功のカギ
外国人アルバイトを正社員として雇用するには、計画的な準備と正確な知識が不可欠です。特に、ビザ要件(在留資格)を正しく理解し、業務内容の設計と学歴の整合性を確保することが求められます。
コンビニ業界では人手不足が続き、外国人正社員の戦力化は大きなチャンスとなります。
しかし、ルールを正しく守らなければ、不許可や在留資格取消といったリスクもあるため、慎重な対応が必要です。
外国人正社員雇用のビザ取得は専門家への相談がおすすめです
外国人アルバイトを正社員として雇用する際のビザ申請は、業務内容の設計や書類作成に高度な専門知識が求められます。
一度でも不許可になると、その後の申請にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 自社の雇用計画は問題ないか?
- 専門学校卒業予定者でも採用できるか?
- エリアマネージャー候補の職務設計は適切か?
こうしたお悩みがありましたら、ビザ申請や外国人雇用に特化した行政書士へぜひご相談ください。
初回相談では、御社の採用計画に最適な申請方針をご提案いたします。

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この記事の参考文献・出典
- 出入国管理及び難民認定法(入管法)別表第一
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000319 - 日本フランチャイズチェーン協会(JFA) 統計資料
https://jfa-fc.or.jp/folder/statistics - 出入国在留管理庁 公表資料
https://www.moj.go.jp/isa/