2024年5月に「外労士(外国人雇用労務士)」の試験に合格しました。しかし、結論から言うと、取得してもまったく意味がありませんでした。
私は行政書士として、外国人のビザ申請を専門にしており、日々入管手続きに携わっています。そんな私が外労士資格を取得してみたものの、「役に立つ場面がほぼない」「コストが高い」「知名度が低い」という問題に直面しました。
本記事では、外労士のデメリットを中心に、取得を検討している方に向けて冷静な視点で情報をお伝えします。
外労士とは?
「外労士(外国人雇用労務士)」は、外国人雇用に関する知識を証明する民間資格です。主に企業の人事担当者や外国人を扱う士業向けに設計されています。
資格の概要としては、
●外国人雇用に関する法律・手続きの知識(入管法・労働法など)
●就労ビザの種類や適用条件の理解
●外国人雇用のリスク管理
といった内容がカバーされています。
しかし、ビザ専門の行政書士や社会保険労務士がこの資格を取得する意味はほとんどありません。その理由を次章で詳しく説明します。

外労士資格のデメリット
① 費用がかかる(決して安くない)
外労士資格を取得するには、試験料・登録料・更新料など、まとまった費用が必要です。具体的には、
項目 | 費用(目安) |
---|---|
受験料 | 約13,000円 |
登録料 | 約5,000円 |
更新料(2年ごと) | 約5,000円 |
資格を維持するために、2年ごとに更新費用が発生する点もネックです。
② 取得しても何も変わらない(士業なら勉強せずに合格可能)
行政書士や社労士など、すでに外国人のビザ・労務に関する業務をしている人であれば、試験の内容はすでに知っている知識ばかりです。
実際、私自身もほぼ勉強せずに合格できました。試験の難易度が高いわけではなく、すでに業務をしている人にとっては「確認作業」に過ぎません。
「せっかく資格を取ったのに、何も変わらない」という状況になります。
③ 知名度が低すぎる
最大の問題は「外労士って何?」と聞かれることがほとんどな点です。
行政書士や社労士と違い、外労士は国家資格ではなく、あくまで民間資格です。企業の人事担当者でも知らない人が多く、「持っているから仕事が増える」ことはありません。
特に士業の方が取得しても、
✅ 依頼が増えるわけではない
✅ 権限が増えるわけではない
✅ 競争力が高まるわけではない
という現実があります。
「資格を取ったことで何かが変わる」と期待すると、間違いなく後悔します。
外労士資格のメリット
外労士資格にはメリットが全くないのか?というと、唯一「外国人を積極的に採用する大手企業の人事担当者には意味がある」と言えます。
① 外国人採用を行う企業の人事担当者には多少のメリットあり
外労士の試験内容は、企業が外国人を採用する際に知っておくべき労務管理やビザ関連の知識を学ぶ機会になります。
✅ 外国人の雇用契約に必要な法的知識
✅ 労働基準法・入管法の基礎
✅ 就労ビザの種類と要件
このような点を体系的に学べるため、企業の人事担当者が勉強する目的で取得するのであれば意味はあります。
しかし、それ以外のケースでは、ほとんどメリットがありません。
② その他のメリットは特にない
士業やコンサル業務をしている人が取得しても、特にメリットはありません。
「資格を持っているから信用される」「営業に有利になる」といったことは、ほぼないと考えてください。

結論:外労士は取る価値があるのか?
結論:外労士資格は、士業や個人事業主にとっては意味がない。
✅ すでに外国人のビザや労務を扱っているなら、わざわざ取る必要なし
✅ コストが高く、維持費もかかるため、無駄になりやすい
✅ 知名度が低く、仕事の幅が広がることもない
唯一、外国人を雇用する企業の人事担当者が勉強目的で取得するなら意味があるかもしれませんが、それ以外のケースでは「費用対効果が悪い」と言わざるを得ません。
もし「何か外国人関連の資格を取りたい」と考えているなら、外労士よりも
✅ 行政書士(ビザ申請ができる)
✅ 社会保険労務士(労務管理ができる)
✅ 通訳案内士(外国人向けサービス業に強い)
といった実務に直結する資格の方がはるかに有益です。
まとめ
「外労士(外国人雇用労務士)」は、試験自体の難易度は高くなく、すでにビザ申請業務をしている人にとっては簡単に取得できる資格です。しかし、実際に取得してみると、「役に立つ場面がほぼない」「コストがかかる」「知名度が低い」という問題がありました。
「資格を取ったら仕事が増える」「信用が高まる」という期待は持たない方がよいでしょう。
本当に外国人ビザ関連でキャリアを伸ばしたいなら、行政書士や社労士として経験を積むことの方がずっと価値があると断言できます。
外労士の取得を検討している方は、本記事を参考に「本当に必要か?」を慎重に判断してください。

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