外国人を雇用する際、初めに知っておかなければならないことは「外国人の単純労働者は受け入れない」ということです。ではどういう職種が単純労働にあたるのでしょうか?
日本では、外国人の単純労働は受け入れていません。ですから、御社が外国人を雇用する際、就労ビザの取得申請時に従事する業務が単純労働でないことを入国管理局に証明しなくてはなりません。つまり、その外国人でなければその業務ができないと言うことを証明しなければいけません。その立証責任は雇用する会社と雇用される外国人にあります。
外国人の単純労働の禁止
「単純労働」とは、一般的には、専門的な知識や技能を必要とせずしない業務を指します。また、専門的な知識や技能を要する業務あっても、現場作業(ブルーカラー)は単純労働に含まれます。
・コンビニのレジ
・ファミレス
・ホテルのベッドメイク
・スーパーのレジ
・工場の流れ作業
・製造業
・建設作業 など
いわゆる就労ビザと呼ばれる「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」といった在留資格を取得するには、専門的な知識や技術を要し、オフィスワーク・デスクワーク(いわゆるホワイトカラー)の仕事でなければビザを取得することはできません。
上記単純作業でのビザ取得を認めてしまうと、誰でも彼でもビザを取得できるようになり、治安の悪化にも繋がりますし、また、日本人の就職機会を奪ってしまうことになるからです。
単純労働が可能な在留資格
前述のとおり就労ビザで単純労働を認められていませんが、工事現場や工場などでも外国人を見かけると思います。彼らはなぜ単純労働の職種に就けたのでしょうか?
それは、下記のような在留資格を取得している外国人は就労の制限がありません。単純労働を含め制限なく様々な職種に就くことができます。
「留学」・「家族滞在」
「特定活動」
在留資格「留学」は日本の学校に通うためのビザであり、「家族滞在」は就労ビザなどで在留する外国人の配偶者や子供が日本に住むためのビザであり就労することはできません。
ただし、「資格外活動許可」を受けた場合、週28時間以内であればアルバイトすることが可能になっています。また、「留学」の場合、夏休みなどの長期休暇中は1日8時間・週40時間までアルバイトが可能になります。
気を付けなければいけないのは、週28時間を超えてアルバイトをすると不法就労となることです。そして、資格外活動許可を得ていたとしても、水商売やパチンコ店、性風俗店などで働くことはできません。
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
永住者・定住者
上記のいわゆる「身分に基づく在留資格」を取得している外国人は就労に関する制限がありません。日本人と同じように職種を問わず働くことが可能です。
立証にあたって大切なこと
外国人が従事する業務が単純労働でないことを立証する責任があると前述しました。しかし、どのように立証すればいいのでしょうか?
入管のホームページよりダウンロードできる申請書にも申請理由を書く欄はありますが、それだけでは不十分です。ベストな方法は、A4用紙2枚程度に外国人が実際に従事する業務内容を具体的に説明することになります。その際、実際に働くオフィスなどの写真、採用に至った経緯、会社のパンフレットなども提出すればより深く説明できることと思います。
また、雇用する外国人が履修した学科と従事する業務の関連性を説明することも重要です。学歴については、卒業証明書のみでなく、成績証明書なども提出し、業務との関連性を主張しましょう。もし、新卒でなく職歴があれば、どのような仕事に就き、これから従事する業務内容と関係性があればそれも説明するとベストです。
御社の概要、外国人が従事する業務内容、履修した学科と業務内容の関連性の説明により、申請人となる外国人を雇用する必要性を立証できます。
しかし、上記を説明したとしても不許可になってしまうこともあります。また、申請手続きも複雑で多大な時間を費やすことにもなります。
行政書士DNR事務所では
国内の人手不足に伴い、大小問わず外国人を雇用する企業も多くなりました。特に飲食業、宿泊業においては、人手不足を契機に求人を募集した企業のうち約60%が「募集しても、応募がない」と観光庁が発表しています。
その反面、雇用する側に外国人雇用の際に知っておかなければならない情報が伝わっていない気がします。知らなくても罪になってしまう「不法就労助長罪」というものもあります。
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