東京都荒川区には多くの外国人が住んでおり、日本で働く外国人の方から就労ビザ更新の相談が増えています。外国人が日本で働き続けるためには、在留期間が満了する前に「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。
就労ビザの更新は、自分で申請することもできますが、必要書類が多く、審査のポイントも分かりにくいため、不安を感じる方も少なくありません。特に、転職をしている場合や会社の状況が変わっている場合には、慎重に準備することが大切です。
結論|就労ビザは「業務内容」で決まります
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、単に学歴があるだけでは許可されません。
重要なのは、学歴と実際の業務内容が結びついているかどうかです。
例えば、大学で学んだ内容と関係のない業務に従事する場合、
それがどれだけ会社にとって必要な仕事であっても、不許可となる可能性があります。
実務では、「問題があるかどうか」ではなく、
👉 その業務が専門的であり、学歴と関連していると説明できるかがすべてです。

■就労ビザとは
就労ビザとは、外国人が日本で働くための在留資格のことをいいます。日本にはさまざまな在留資格がありますが、会社員として働く外国人の多くは「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を持っています。
この在留資格では、主に次のような仕事が対象となります。
・ITエンジニア
・通訳・翻訳
・海外営業
・貿易業務
・マーケティング
・デザイン業務
このように、大学などで学んだ専門知識や外国語能力を活かした仕事が対象になることが多いのが特徴です。
就労ビザには在留期間が設定されています。通常は1年、3年、5年のいずれかが許可されます。在留期間が終了する前に更新申請を行わなければ、日本で働き続けることができなくなる可能性があります。

■荒川区に住んでいる場合の申請先
荒川区に住んでいる外国人が就労ビザ更新を行う場合、通常は「東京出入国在留管理局」で申請を行います。
東京出入国在留管理局は東京都港区港南にあり、東京都内や関東地域の外国人の多くが利用している入管です。
荒川区から入管へ行く場合は
などを利用してアクセスすることができます。
ただし、申請取次行政書士に依頼する場合、本人が入管へ行かなくても申請手続きを行うことができる場合があります。

また、東京出入国在留管理局(品川)だけでなく、荒川区に在住している方や、荒川区に勤務先のある就労ビザの方などは、東京出入国在留管理局 松戸出張所(いわゆる松戸入管)でも申請が可能です。
松戸出張所の所在地は以下のとおりです。
✅〒271-0092 千葉県松戸市松戸1307-1 松戸ビルディング
主に在留期間の更新申請や在留資格変更許可申請などに対応しており、品川と比較して混雑が少なく、手続きが比較的スムーズに進む傾向があります。
そのため、更新や変更といった手続きについては、実務上、松戸出張所を選択するケースも多く見られます。
ただし、最終的な審査基準は品川と同様であり、「松戸のほうが通りやすい」ということはありません。どの入管に申請する場合でも、在留資格の該当性や書類の整合性が重要となります。

■就労ビザ更新の主な必要書類
就労ビザ更新では、外国人本人の書類だけでなく、勤務している会社の資料も必要になります。
まず、外国人本人に関する主な書類は次のとおりです。
・在留期間更新許可申請書
・パスポート
・在留カード
・写真
・住民税の課税証明書
・住民税の納税証明書
税金の書類は、日本で適切に納税しているかを確認するために提出します。
次に、会社に関する書類として次のような資料が求められる場合があります。
・会社の登記事項証明書
・会社案内
・決算書
・雇用契約書
これらの書類は、会社の事業内容や経営状況を確認するために提出します。
■ よくある不許可の原因
不許可になるケースは、実は非常にパターン化されています。
まず多いのが、業務の実態が単純作業に近いケースです。
倉庫でのピッキングや飲食店でのホール業務などが中心の場合、就労ビザの対象外と判断されやすくなります。
また、学歴と業務の関連性が弱いにもかかわらず、その説明が十分でない場合も同様です。
本来であれば許可の余地があるケースでも、「説明不足」によって不許可になることは珍しくありません。
つまり、審査の本質は
👉 内容そのものよりも“説明の精度”にあると言えます。
転職後“初回更新”は別物です
ここは企業が最も誤解しやすいポイントです。
転職後の更新は、単なる「延長手続き」ではありません。
実務上は、新規申請とほぼ同じレベルで審査されます。
例えば、A社で許可された就労ビザは、あくまでその会社での業務内容を前提としたものです。
B社へ転職すれば、会社も業務も変わるため、その前提はリセットされます。
その結果、更新のタイミングでは、
といった点が、あらためて確認されます。
👉 感覚としては「留学から就労ビザへ変更したとき」と同じレベルです。
■ 不許可事例(転職後の初回更新)
実際にあったケースです。
通信会社で勤務していたベトナム人の方が、給与を理由に知人の会社へ転職しました。
転職先では「倉庫管理」「事務管理」という形で申請を行いましたが、具体的な業務内容や会社の説明が不足したまま更新申請を行った結果、不許可となりました。
このケースで問題となったのは、業務の中身というよりも、
👉 入管が判断できるだけの情報が提示されていなかったことです。
その後、会社の事業内容や業務の専門性、実際の役割を具体的に整理し直して再申請を行ったところ、許可となりました。
この事例が示しているのは、
👉 「内容がダメなのではなく、説明できていないとダメ」という現実です。
審査で見られるポイント
審査では複数の要素が総合的に判断されますが、特に重要なのは「業務の適合性」です。
つまり、その外国人が従事する業務が、本当に就労ビザの対象となる専門的な仕事なのかが見られます。
加えて、学歴との関連性や、日本語を含む業務遂行能力、会社の安定性なども確認されます。
これらは一つでも欠けると不許可につながる可能性があるため、事前の整理が不可欠です。

■ よくある質問(Q&A)
- Q日本語能力(N2)は必須ですか?
- A
必須ではありませんが、実務上は重要な判断要素です。
入管は資格そのものではなく、「業務が成立するか」を見ています。例えば、日本語での指示理解や報告が求められる環境で、それが難しいと判断されれば、不許可や追加資料の対象となることがあります。
一方で、英語など他の言語で業務が成立する場合は、この限りではありません。👉 日本語要件の詳細は別記事で解説しています。
- Q倉庫業や飲食業では雇えませんか?
- A
雇用は可能ですが、業務内容によって判断が分かれます。
単純作業が中心であれば難しくなりますが、在庫管理や分析、店舗運営など、専門性を伴う業務であれば許可の可能性はあります。重要なのは、肩書きではなく、実際に何をしているのかです。
👉 業種ごとの具体的な考え方は別記事で解説しています。
- Q更新は簡単ですか?
- A
一般的に思われているほど簡単ではありません。
特に転職後は、新規申請と同様の審査が行われるため、内容次第では不許可となることもあります。
- Q不許可になるとどうなりますか?
- A
再申請は可能ですが、同じ内容のままでは許可される可能性は低くなります。
業務内容や説明方法を見直し、問題点を解消したうえで再申請する必要があります。

■ 企業が意識すべき実務ポイント
外国人雇用においては、「とりあえず申請する」という判断が最もリスクになります。
実際には、申請前の段階で業務内容をどこまで整理できているかが結果を左右します。
特に重要なのは、
この3点です。
👉 この設計ができていれば、審査はスムーズに進みます。
■ まとめ
就労ビザの審査は形式的なものではなく、実態に基づいて判断されます。
そのため、「問題がないはず」という感覚ではなく、第三者に説明できるかという視点が不可欠です。
特に転職後の更新は、単なる延長ではなく再審査です。
この認識を持って準備するかどうかで、結果は大きく変わります。
お問い合わせ
転職後の更新や業務内容に不安がある場合は、申請前の段階で確認することが重要です。
事前の整理によって、許可の可能性が大きく変わるケースも少なくありません。





