荒川区で増えている「配偶者ビザ×偽装結婚」相談の実態― 行政書士が実際に断ったケースから解説 ―

国際結婚

荒川区では外国人居住者の増加に伴い、「配偶者ビザ(日本人の配偶者等)」に関する相談が年々増えています。

その一方で、内容を精査すると偽装結婚を疑われる、または極めてリスクの高いケースも少なくありません。

偽装結婚は、入管に一度疑われた時点で終わりではありません。交際歴、同居実態、生活状況などを細かく確認され、説明が曖昧な場合は矛盾として積み上がっていきます。その結果、「不自然な関係」と判断されれば、不許可だけでなく、以後の申請においても継続的に厳しい審査の対象となります。

本記事では、実際にあった相談事例をもとに、どのような点が問題となるのか、そして行政書士としてどのように判断するのかを具体的に解説します。

荒川区で増え続ける外国人

近年、日本に在留する外国人の数は一貫して増加しています。特に東京23区の中でも、荒川区のような生活密着型のエリアにおいても、その変化は確実に現れています。

法務省の統計によれば、在留外国人数はコロナ禍による一時的な減少を経て再び増加傾向に転じており、過去最高水準に近づいています。これは単なる一時的な現象ではなく、今後も継続する可能性が高い構造的な変化といえます。

さらに注目すべきは、「どの国の人が増えているのか」という点です。外国人の増加といっても、その内訳は一様ではなく、国籍ごとに大きな偏りがあります。

現在の傾向としては、中国・ベトナム・フィリピン・ネパールなど、特定の国籍が大きな割合を占めています。中でも中国籍の在留者は依然として最多であり、都市部を中心に存在感を強めています。

このように、「外国人が増えている」という事実だけでなく、「どの国の人が、どのように増えているのか」を正しく把握することが重要です。数字の裏にある実態を理解することで、地域の変化や今後の動向も見えてきます。

荒川区の外国人国籍別人数

偽装結婚が疑われる典型パターン

入管は形式だけでなく、実態を細かく確認しています。実際に疑われやすいのは、次のようなケースです。

・交際期間が極端に短い
・言語が通じず、意思疎通が不自然
・同居していない、または生活実態が確認できない
・写真や連絡履歴などの証拠が乏しい
・結婚に至る経緯の説明が曖昧

これらは単体でも疑われますが、複数重なると一気に不自然性が高まり、偽装結婚と判断される可能性が高くなります。

実際にあった相談①

高齢日本人男性 × 中国人女性(お見合いサイト)

相談者は60代の日本人男性で、一定の資産を持っている方でした。
「結婚するので配偶者ビザを取りたい」というシンプルな相談から始まりました。

出会いは海外系のお見合いサイトです。登録後まもなく中国人女性と知り合い、短期間で結婚の話に発展したとのことでした。

しかし、詳細を確認すると次のような状況でした。

実際に会ったのは一度だけで、場所は海外、滞在期間も数日間に限られていました。
帰国後は毎日連絡を取っているとのことでしたが、その内容は「おはよう」「おやすみ」といった定型的なメッセージが中心で、深いコミュニケーションはほとんど見られませんでした

さらに問題なのは言語です。
男性は日本語のみ、女性は中国語中心で、日本語での会話はほぼ成立していない状況でした。翻訳アプリを使用しているとの説明はありましたが、実際のやり取りの内容から判断すると、意思疎通が十分に取れているとは言えませんでした。

結婚の動機も非常に明確で、

男性は「子どもを残したい」
女性は「日本に住みたい」「社会保険に入りたい」「早く結婚したい」

といった意向を強く示していました。

また、日本での生活についても、住居・生活費・日常生活の具体像などはほとんど詰まっておらず、将来設計が不十分な状態でした。

実際にあった相談②

日本人男性 × ベトナム人技能実習生(紹介サイト)

もう一つの事例は、より典型的なリスクケースです。

相談者は日本人男性で、ベトナム人女性との結婚を前提に配偶者ビザの取得を希望していました。
出会いはベトナム人女性を紹介する専門サイトです。

相手女性は、日本で技能実習生として働いている方でした。

男性の説明によると、女性は技能実習の環境に不満があり、「技能実習をやめたい」という強い意向を持っていました。そして、その手段として結婚を選択している状況でした。

私は状況確認のため、三者でビデオ通話を行いましたが、ここで決定的な問題が明らかになりました。

会話がまったく成立しないのです。

男性は日本語のみ、女性はベトナム語のみで、英語も使用できず、通訳も不在のため意思疎通ができませんでした。質問に対する理解も不十分で、会話として成立しているとは言えない状態でした。

さらに、普段どのようにコミュニケーションを取っているのかを確認しても、「翻訳でなんとなく」といった曖昧な説明にとどまり、実態が見えてきませんでした。

加えて、実際に会った回数や交際期間も極めて限定的であり、将来の生活設計も具体性に欠けていました。

行政書士としての判断(実務の核心)

これらのケースに対して、私はいずれも受任をお断りしました。
ここは非常に重要なポイントであり、単に「難しそうだからやらない」という話ではありません。

行政書士として判断する際には、以下の観点を総合的に検討しています。

👉①「許可の可能性

今回のようなケースは、入管の審査基準に照らしても明らかに厳しく、現状のままでは不許可となる可能性が極めて高いといえます。
この状態で申請を進めることは、依頼者にとって時間と費用の浪費につながります。

👉②「申請内容の適正性

配偶者ビザは、形式的な書類を整えればよいというものではなく、実態が伴っていなければなりません。
もし、実態が伴っていないにもかかわらず、それを補うために不自然な説明や過度な演出を行うと、結果として虚偽申請と疑われるリスクが高まります。

行政書士は、依頼者の意向に沿うだけでなく、法令に基づいた適正な申請を行う義務があります。
したがって、実態が伴わない案件について無理に申請を進めることはできません。

👉③「将来的リスク

仮に何らかの形で在留資格が認められたとしても、その後の更新や調査の段階で問題が発覚する可能性があります。
その結果、在留資格の取消しや退去強制といった重大な不利益につながるおそれがあります。

このようなリスクを考慮すると、現時点で無理に申請を行うことは、依頼者にとってむしろ不利益となります。

さらに重要なのは、「関係性の本質」です。配偶者ビザは、あくまで実態のある婚姻関係を前提としています。

しかし今回のケースでは、

  • 交際の蓄積がほとんどない
  • コミュニケーションが成立していない
  • 結婚の動機が在留資格や生活条件に偏っている

という状況であり、第三者の視点から見ても「自然な夫婦関係」とは評価し難いものでした。

このような場合、仮に書類を整えたとしても、審査の過程で必ず違和感が生じます。
入管は多数の事例を見ているため、表面的な整合性だけでは通用しません。

したがって、行政書士としては、

👉「現状のままでは申請は推奨できない」
👉「まずは関係性の実態を整える必要がある」

といった助言を行い、結果として受任を見送る判断となります。

偽装結婚が疑われた場合のリスク

偽装結婚が疑われた場合のリスクは、想像以上に重いものです。

配偶者ビザに問題があると判断されれば、単なる不許可で終わることはほとんどありません。すでに在留している場合であっても、在留資格の取消しに直結する可能性があります。

さらに、虚偽申請や不正な目的が認定された場合には、退去強制処分となり、日本からの出国を命じられます。そのうえで、一定期間の再入国禁止が課されるため、将来的に日本へ戻ること自体が困難になります。

問題はそれだけではありません。関与した日本人側についても、単なる「協力者」では済まされず、刑事責任や法的責任を問われるリスクがあります。実際に、金銭の授受や虚偽申請への関与が認められた場合には、処罰の対象となるケースもあります。

偽装結婚は「ばれなければいい」というレベルの話ではなく、発覚した時点で生活・在留・将来すべてを失う重大なリスクを伴う行為です。軽い気持ちで関与すべきものではありません。

実際に疑われた後の流れ

偽装結婚が疑われた場合、入管の審査は一気に厳しくなります。

まず、交際経緯や生活状況について詳細な説明を求められ、提出した資料との整合性が細かく確認されます。この段階で説明にズレや曖昧さがあると、それが積み重なり「不自然な関係」と判断されます。

さらに、追加資料の提出や再度の説明を求められることもあり、その過程で矛盾が明確になると、不許可となる可能性が高まります。

そして一度疑いが強まった案件は、その後の申請においても厳しく見られ続けるため、結果として配偶者ビザの取得自体が極めて困難になるケースも少なくありません。

まとめ

配偶者ビザにおいて、偽装結婚は最も厳しく見られる不正の一つです。

一見すると形式的な書類が整っていれば通るのではないかと考えられがちですが、入管は生活実態や関係性の裏付けまで詳細に確認しています。そのため、実態を伴わない結婚は高い確率で見抜かれます。

そして問題は、不許可になること自体ではありません。一度「偽装の疑いあり」と判断されると、その記録は残り、その後の在留資格申請にも大きな影響を及ぼします。結果として、日本での在留自体が困難になるケースも少なくありません。

配偶者ビザは本来、真実の婚姻関係を前提とした制度です。安易な考えで利用しようとすれば、その代償は極めて大きいものになります。正しい理解と適切な手続きが不可欠です。

荒川区では外国人関連の相談が多い分、配偶者ビザに関するケースも多様化しています。
その中で、「結婚すればビザが取れる」という誤解は依然として根強いものがあります。

今回の事例のように、

  • 会った回数が極端に少ない
  • 会話が成立していない
  • 結婚の目的が利害関係に偏っている

といったケースは、極めて高い確率で厳しい審査対象となります。

配偶者ビザは、書類ではなく「実態」がすべてです。無理に申請を進めるのではなく、第三者の視点で見て自然な関係かどうかを冷静に判断することが重要です。

少しでも不安がある場合は、申請前に専門家へ相談することで、不要なリスクを回避することができます。

行政書士DNR事務所では…

ビザ申請の相談なら行政書士DNR事務所へ

当事務所では、荒川区を中心に葛飾区・足立区・台東区・北区など東京東部エリアにお住まいの外国人の方、また外国人雇用を検討されている企業様に向けて、在留資格申請を専門にサポートしております。

特に、転職後の更新や業務内容の変更があるケースなど、審査が厳しくなりやすい申請にも対応しており、単なる書類作成にとどまらず、不許可リスクを踏まえた戦略的な申請を行っております。申請理由書の作成から入管対応まで一貫して対応することで、お客様の負担を大きく軽減いたします。

在留資格の申請は、一度の判断ミスや説明不足が不許可につながる重要な手続きです。特に更新直前や転職直後のご相談は、準備期間が不足し対応が難しくなるケースもあります。

「まだ大丈夫」と思っている段階でのご相談が、結果を大きく左右します。

また、名古屋・甲府・高崎など、東京以外の入管管轄エリアへの出張にも対応しております。遠方の案件についても柔軟に対応可能です。

他事務所で断られた案件や、不許可歴があるケースについても対応しておりますので、まずは一度ご相談ください。



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