近年、日本国内で犯罪を犯した中国人が不起訴となるケースが増えており、多くの国民の間で不満の声が上がっています。逮捕されても裁判にかけられることなく釈放される事例が相次ぎ、「なぜ不起訴になるのか?」という疑問が浮かびます。本記事では、実際の不起訴事例を紹介し、その背景や対策について考察します。
中国人が不起訴になった事例
液体大麻持ち込みの疑いで逮捕された女性が不起訴に
2023年9月、鹿児島空港に液体状の大麻を持ち込んだとして、中国籍の30代女性が逮捕されました。しかし、鹿児島地方検察庁は同年10月10日付で「起訴に足る証拠がなかった」として不起訴処分としました。
金融機関の口座不正開設の疑いで逮捕された会社員が不起訴に
2024年10月、第三者に利用させる目的を隠して金融機関の口座を開設し、キャッシュカードをだまし取ったとして、東京・板橋区の33歳の中国籍の会社員が詐欺の疑いで逮捕されました。福岡地方検察庁小倉支部は同年12月25日付で「諸般の事情を総合的に考慮した」として不起訴処分としました。
窃盗容疑で逮捕された中国人夫婦が不起訴に
2024年6月、石川県珠洲市の会社から鉄板などの金属を盗んだとして、東京都在住の中国籍の夫婦が逮捕されました。金沢地方検察庁は同年10月9日付で不起訴処分としましたが、理由は明らかにしていません。
偽の診断書を提出した疑いで逮捕された中国人留学生が不起訴に
2024年8月、女性から暴行を受けたとする偽の診断書を警視庁に提出したとして、中国人留学生の男性(24歳)が逮捕されました。東京地方検察庁は同年12月16日付で「起訴するだけの証拠がない」として不起訴処分としました。
日本人になりすまして講演会に参加申し込みをした大学院生が不起訴に
2021年6月と2022年1月ごろ、日本ウイグル協会が主催する講演会に架空の日本人名義で参加を申し込んだとして、中国籍の30歳の大学院生が書類送検されました。仙台地方検察庁は2024年12月26日付で不起訴処分としましたが、理由は明らかにしていません。
交通事故による死亡事件で危険運転致死罪を免れたケース
埼玉県川口市の一方通行の市道を逆走した車による死亡事故で、さいたま地検は18日、運転手の中国籍の少年(18)を道路交通法違反(酒気帯び)と自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の非行内容でさいたま家裁に送致しました。警察は、より罰則の重い同法違反(危険運転致死)容疑で送検していましたが、地検は危険運転には問えないと判断しました。

不起訴になる理由
①証拠不十分
検察が不起訴処分を下す最も一般的な理由の一つに、「証拠不十分」があります。特に性犯罪の場合、被害者の証言が主な証拠となることが多く、物的証拠が乏しいと「裁判で有罪にできる可能性が低い」と判断されることがあります。
②外交的配慮
日本と中国の関係は政治・経済の面で深く結びついており、検察が外交上の影響を考慮することがあります。特に、中国政府が日本側に圧力をかけたり、逆に日本が中国との関係悪化を避けようとする場合、不起訴の判断が下される可能性があります。
また、日本国内には多くの中国企業が進出しており、経済的な結びつきが強いことから、中国人の刑事処分が日中関係に影響を及ぼす可能性もあります。さらに、国際的な政治情勢や両国間の貿易交渉が進行中の場合、日本側が対立を避けるために穏便な対応を取るケースもあります。
さらに、警察や検察の取調べでの捜査通訳、弁護士接見時の弁護通訳、法廷で通訳する法廷通訳等の通訳人の不足が問題だという意見もあります。
このような背景から、特に政治的な影響を受けやすい事件においては、外交的配慮が不起訴の判断に影響を与えることがあります。
③軽微な犯罪と判断
初犯や罪の軽重を考慮し、起訴猶予となることもあります。日本人が不起訴になる場合もこれらの事由です。
④司法の負担軽減と帰化人裁判官の影響:
近年、外国人による犯罪件数が増加傾向にある中で、すべての案件を起訴し続けることは、日本の司法機関にとって大きな負担となっています。特に軽微な違反や犯罪に関しては、裁判にかけるための人員・時間・予算といったリソースが限られていることから、検察は不起訴処分とする判断を下す傾向が強まっています。こうした対応は、刑事司法制度全体の効率性を維持するための現実的な対応策とされていますが、同時に「外国人に対して甘いのではないか」という国民の不満や不信感にもつながっています。
さらに、現在の日本の司法機関においては、過去に帰化した者が裁判官や検察官として活躍するケースも増えてきています。これは多様性の観点から一定の前進とも言えますが、一方で、文化的背景や政治的な価値観の違いが司法判断に微妙な影響を与える可能性も懸念されています。特に、出身国との価値観の違いや、外国人に対する共感が強く働くことにより、外国人被告に対して寛容な判決が下されるケースもあると一部で指摘されています。
こうした背景から、「司法の中立性」や「公正性」に対する疑念が生まれ、市民の間で議論の的となっています。
⑤被害者との示談
示談が成立すると、検察が不起訴とするケースが増えます。日本人が不起訴になる場合もこれらの事由です。

対策
外国人犯罪に対処するためには、以下のような対策が考えられます。
- 入国審査の厳格化: 犯罪歴のある外国人の入国を防ぐため、審査を強化する。
- 犯罪者の国外退去措置の強化: 一定の犯罪を犯した外国人に対し、より迅速な強制退去措置を取る。
- 警察の捜査力強化: 外国人犯罪に対応できる専門部署を設置し、証拠収集を徹底する。
- 検察の説明責任強化: 不起訴の理由を明確にし、国民の理解を得るための仕組みを導入する。
- 国民の監視意識向上: 防犯カメラの設置や、市民による情報提供の促進を図る。
まとめ
中国人犯罪者が不起訴になる背景には、単に証拠の有無という法的な問題だけでなく、国際的な関係性や政治的な配慮など、複数の要因が複雑に絡み合っています。
たとえば、事件に関与したとされる中国人に対して明確な証拠が十分に揃っていない場合、法的には起訴を見送らざるを得ないという現実があります。日本の刑事司法制度は「疑わしきは被告人の利益に」という原則に基づいており、確実な有罪立証が見込めない場合は、検察が不起訴処分とすることが多くなります。
また、中国という大国との外交関係を悪化させないための配慮が、司法判断に間接的に影響を与えるケースもあるとされています。特に経済的・人的交流が盛んな中国との関係を考慮し、一定の事案については強硬な対応を避ける傾向が見られることもあります。こうした背景は、司法の独立性に対する疑念や不満を国民に抱かせる一因ともなっており、慎重かつ透明性のある対応が求められています。
犯罪の件数が全体として増加傾向にある中で、今後さらに外国人による犯罪が増えれば、現在の体制では対応しきれなくなる恐れもあります。したがって、法制度そのものの見直しや強化に加えて、警察や検察といった現場の捜査機関の対応力・判断力の向上が急務です。より迅速かつ適切な捜査を可能にする体制づくりや、国際的な協力体制の整備も視野に入れるべきでしょう。
最終的に日本の治安を守るためには、国家レベルでの制度整備や対策だけでなく、国民一人ひとりがこの問題に対して関心を持ち、声を上げ、正しい情報をもとに議論していく姿勢が求められます。外国人犯罪に関する課題は、単なる治安問題にとどまらず、日本社会全体の公正性や秩序、そして将来の在り方にも深く関わる重要なテーマなのです。