【要注意】経営管理ビザ更新|2028年猶予でも落ちる人の共通点と今すぐの対策

経営管理ビザ

2025年10月の制度改正により、在留資格「経営・管理」の更新は、これまでとは明らかに性質が変わりました。

とくに重要なのが、すでに日本で会社を経営している方に対して設けられている2028年10月までの猶予期間です。

一見すると時間に余裕があるように見えますが、実務の感覚としては逆です。
この期間は延長ではなく、更新できるかどうかを分ける準備期間と考えるべきです。

何も対策を取らないまま期限を迎えた場合、これまで問題なく更新できていた方でも、不許可になる可能性は十分にあります。

2025年改正で何が変わったのか

✔ 旧要件 → 新要件

  • 資本金:500万円 → 3000万円
  • 雇用:不要 → 常勤職員が前提
  • 日本語:不要 → 実質必須(N2目安)
  • 経歴:不要 → 経営経験等が必要
  • 審査:形式 → 実態重視

✔ なぜ厳しくなったのか

  • ペーパーカンパニー対策
  • 名義貸しの排除
  • ビザ目的の起業増加
改正項目旧制度新制度(2025年10月16日以降)
資本金/出資総額500万円以上3,000万円以上
常勤職員の雇用要件資本金を満たせば雇用なしのケースも可/または緩やかな人員要件最低1名以上の常勤職員の雇用が必須
資本金要件と職員要件の関係どちらか一方を満たせば可、というパターンもあった新制度では「資本金 と 常勤職員」両面を満たす必要あり
学歴・経営経験これまで明確な共通要件が緩やかだったケースあり経営または管理の実務経験3年以上、または関連分野の修士以上の学位などが必要に
日本語能力要件明文化された要件なし申請者本人または常勤職員のいずれかが「相当程度の日本語能力」(たとえば国際基準 B2 相当、JLPT N2 等)を持つことが要件に
事業所要件自宅兼事業所・兼用オフィスなど許容されていた例もあった原則、自宅兼オフィス・バーチャルオフィス・共用スペースなどは認められない。明確に区画された専用オフィスが要件化されているケースあり
事業計画書の評価従来は計画書の「専門家評価」の義務は明確でなかった新制度では、事業計画書を提出する際、専門家(中小企業診断士、公認会計士、税理士 等)による確認・評価を受けたものを提出する必要あり
更新・継続審査(更新時の実態精査)従来も「事業実績・納税・社会保険加入」などは見られていたが制度改正でより明文化・強化新制度下では更新申請時にも「直近の事業活動内容説明文書」等を求めたり、実態・継続性の説明義務が強まる可能性あり

なぜ今、更新が通りにくくなっているのか

今回の改正の背景にあるのは、「実態のある経営だけを残す」という流れです。

ここ数年、名義だけの会社や、実際には動いていない事業が問題視されてきました。形式上は会社が存在していても、売上がほとんどない、取引の中身が見えない、経営者の役割が曖昧といったケースです。

そのため現在の審査では、「会社があるかどうか」ではなく、「その会社がきちんと動いているか」が見られています。

たとえば、決算書が提出されているだけでは足りません。その数字に現実的な裏付けがあるか、売上が継続しているか、契約が実際に履行されているかといった点まで踏み込んで確認されます。

つまりチェックされているのは、“形式”ではなく“中身”です。

この変化によって起きているのが、「問題ないと思っていたのに通らない」というケースです。経営しているつもりでも、それが第三者に伝わる形になっていなければ評価されません。

制度が別物になったというよりも、
👉 審査の“深さ”と“現実性”が一段引き上げられた
と捉えるのが実務的には正確です。

猶予期間の本当の意味

2028年10月までの猶予期間は、「今は満たしていなくてもよい」という意味ではありません。

正しくは、そこに向けてどのように進んでいるかを見られる期間です。

更新審査では、現状に加えて「この会社は今後も続くのか」という視点が強く入ります。そのため、現時点で要件を満たしていない場合でも、改善の方向に動いているかどうかで評価は大きく変わります。

例えば、売上がまだ十分でなくても、取引先が増えている、契約が進んでいる、事業の方向性が整理されているといった要素があれば、評価は前向きになります。逆に、一定の売上があっても、その先の見通しが説明できなければ、不安定と判断されることもあります。

評価を分けるのは、次のような“動き”です。

  • 事業が改善・拡大している流れが見えるか
  • 資金や人員の体制が現実的に整いつつあるか
  • 将来の見通しを説明できるか

見られているのは完成度ではなく、
👉 “方向性と継続性”です。

この期間に何もしていない場合、「改善の意思がない」と見られてしまいます。一方で、途中段階でも計画的に進めていることが示せれば、それ自体が評価につながります。

2028年までに整えておくべき現実的なポイント

制度上の要件はシンプルですが、実務では次の部分で差が出ます。

  • 日本語での業務対応ができる体制があるか
  • 資本金や資金計画に無理がないか
  • 会社としての役割分担が機能しているか
  • 継続的な売上や取引の裏付けがあるか

ここで重要なのは、単に条件を満たすことではなく、
👉 「なぜそれで事業が成り立つのか」を説明できる状態にすることです。

不許可事例①|飲食店で起きやすい落とし穴

飲食店を経営している方が、日常的にキッチンに入り料理をしていたことで、不許可となったケースがあります。

本人としては店を支えるための行動でも、入管は業務の中心を見ます。現場作業が主になっている場合、経営ではなく労働と判断されるリスクがあります。

このケースでは、次の点が問題とされました。

  • キッチン業務に継続的に関与していた
  • 経営業務の内容が明確に説明できなかった

その後、仕入れや資金管理、人材管理といった経営業務を整理し、実態を説明したことで、再申請では許可されています。

重要なのは、「何をしているか」だけでなく、
👉 それをどう説明できるかです。

不許可事例②|“今まで通り”が通用しなかったケース

ECサイトを運営している方が、これまでと同じ感覚で申請を行い、不許可となったケースもあります。

大きな問題があったわけではなく、単純に基準の変化に対応していなかったことが原因でした。

特に不足していたのは、以下のような書類です。

  • 納税証明書(その3)
  • 法人税・消費税関連の証明書
  • 法人住民税・事業税
  • 労働保険料の納付証明

現在は、こうした税務・労務関連の資料がより重視されています。

このケースは、書類を補強して再申請し、最終的には許可されています。つまり、「内容」だけでなく「最新の基準に合っているか」が重要です。

不許可になる人に共通していること

これらの事例に共通しているのは、大きなミスではなく、小さな認識のズレです。

  • 経営しているつもりでも、実際は現場業務が中心になっている
  • 問題ないと思っていた書類が現在の基準では不足している
  • 過去のやり方をそのまま続けている

こうしたズレが、そのまま審査結果に反映されます。

そして最も多いのが、
👉 「自分は大丈夫だろう」という判断です。

猶予期間にやるべきこと

ここまで読んで、「結局何をすればいいのか」と感じた方も多いと思います。

結論から言えば、猶予期間中にやるべきことは、“条件を満たすこと”ではなく、
👉 「満たせる状態に現実的に近づけること」です。

特に重要なのは、次の3点です。

  • 事業として継続できるだけの売上・取引の確保
  • 日本語での業務対応ができる体制の構築
  • 資本金や資金面の裏付けの強化

この中でも、最も多くの方がつまずくのが「資金面」です。

増資3000万円の考え方

今回の改正により、資本金の水準はこれまでとは大きく変わります。

ただし重要なのは、
👉 「3000万円にすること」ではなく、「なぜ3000万円必要なのかを説明できること」です。

実務では、次のような点が見られます。

  • 資金の出所に不自然な点がないか
  • 事業規模と資本金のバランスが取れているか
  • 実際に事業に使われる計画になっているか

単に直前で資金を入れるだけでは、かえって不自然に見られることもあります。

そのため、猶予期間中にやるべきなのは、

👉 段階的に資金を積み上げていく設計です。

例えば、

  • 売上の増加に合わせて増資する
  • 投資や借入を組み合わせる
  • 事業計画と連動させる

こうした形で、「現実的な成長」として見せることが重要になります。

増資は一度に3000万円にする必要はありません

「資本金3000万円」と聞くと、多くの方が
「一度にそこまで増やさないといけないのか」と考えがちです。

しかし実務では、
👉 必ずしも一度で3000万円まで増資する必要はありません。

むしろ重要なのは、
👉 事業の成長に合わせて、現実的に資本を積み上げているかです。

段階的な増資のイメージ

例えば、現在の資本金が500万円の場合でも、次のような進め方は十分に現実的です。

  • 初年度:1000万円まで増資
  • 翌年度:さらに1500万円増資
  • 合計:最終的に3000万円規模へ

このように、事業の状況に合わせて段階的に増資していくことで、

  • 資金の出所が明確になる
  • 事業の成長と整合性が取れる
  • 無理のない資金計画になる

といったメリットがあります。

なぜ「段階的な増資」が評価されるのか

入管が見ているのは、単なる金額ではありません。

重要なのは、

  • なぜその資金が必要なのか
  • どのように事業に使われるのか
  • 継続的に経営できる見込みがあるか

です。

そのため、直前に一度で資金を入れるよりも、

👉 事業の成長に応じて資本が増えている方が、自然で説得力がある
と評価されやすくなります。

注意すべきポイント

一方で、段階的な増資でも注意点はあります。

  • 形式だけの増資になっていないか
  • 資金の出所を説明できるか
  • 事業規模と資本金がかけ離れていないか

👉 このあたりが曖昧だと、逆に不自然と判断されることもあります。

実務的な結論

👉 重要なのは「3000万円にすること」ではなく、
「3000万円規模の事業として成立していること」です。

そのため、

  • どのタイミングで
  • どの金額を
  • どの目的で入れるのか

ここまで設計しておくことが、更新の結果に直結します。

2028年は分岐点になる

2028年10月は単なる期限ではありません。制度変更後の環境に適応できたかどうかを判断されるタイミングです。

ここまでに何を整えてきたか、その積み重ねがそのまま結果につながります。逆に言えば、今から動けば十分に間に合います。

ご相談について

経営管理ビザの更新は、書類を揃えるだけの手続きではなく、「事業として成立しているか」を見られる審査です。

そのため、自分では問題ないと思っていても、第三者の視点ではリスクが見えることがあります。

特に、

  • 売上や体制に不安がある方
  • 自己申請で進めてきた方

は、一度現状を整理しておくことで結果が大きく変わります。

「自分は大丈夫だと思っていた」という方が、不許可になるケースは実際に多くあります。
少しでも気になる点があれば、早めに確認しておくことをおすすめします。

行政書士DNR事務所では…

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