中国人の帰化が急増──初の韓国超え、なぜ永住より簡単に日本国籍が取れるのか?

外国人問題

2024年、外国人が日本国籍を取得する「帰化」を許可された人数は、法務省のまとめによれば約8,800人。そのうち、最も多かったのが中国人(約3,100人)で、ついに韓国・朝鮮籍を初めて上回る結果となりました。

一方で、ネパールやスリランカなど中韓以外の国からの帰化もここ5年で倍増しています。もはや帰化は一部の国に限られた動きではなく、世界中の外国人が「日本人」になる手段として機能し始めているのです。

本記事では、この「帰化」制度の問題点と現状を掘り下げ、「永住ビザより簡単」とされる制度設計の歪み、そして日本社会が抱えるリスクについて考察します。

帰化は“特別永住”より簡単?──不透明な制度の実態

帰化とは、日本国籍を持たない外国人が、法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度です。法的には「帰化許可」と呼ばれ、以下のような一般的条件が設けられています。

  • 日本に正当な在留資格で5年以上継続して居住していること
  • 18歳以上であること(成人)
  • 素行が善良であること
  • 生計を営める能力(安定収入)があること
  • 国籍の喪失(重国籍不可)
  • 日本国憲法を尊重する姿勢があること
  • 日常会話程度の日本語能力

これだけを見れば、決して軽い条件ではないように見えるかもしれません。しかし、永住ビザ(在留資格)と比較した場合、以下のような「逆転現象」が起きています。

項目永住権帰化許可
必要な在留年数原則10年原則5年
許可の根拠入管法国籍法
標準処理期間約4か月(公表あり)非公表(処理期間なし)
不許可後の不服申立可能不可
法的ステータス外国人日本人(選挙権取得)

つまり、「永住」よりも「帰化」のほうが短期間で、日本国籍まで手に入る制度になっているのです(ただし入管によっては1年以上審査がかかることも)

しかも審査の透明性が低く、判断基準も明らかにされていないため、「法務大臣の胸先三寸」という批判も根強くあります。

なぜ中国人の帰化がこれほどまでに増えているのか?

今回、中国人の帰化者が韓国・朝鮮籍を抜いて最多になったことは大きな転換点です。背景にはいくつかの要因があります。

● 留学生から就労・定住、そして帰化へ

中国からの留学生は日本に多く、就職し、そのまま定住→結婚→帰化という流れが一般的になっています。しかも中国人コミュニティは情報共有が活発で、帰化までの「成功ルート」が体系化されているのです。

● 実質的な二重国籍の懸念

帰化に際しては元の国籍を放棄することが原則ですが、中国では「国籍放棄」が非常に困難であるうえに、海外にいる中国人を**あくまで“自国民”とみなす政策(海外中国人政策)**を採っています。

そのため、「表向きは日本人、内面は中国人」という二重構造の国籍保持が疑われるケースもあります。

中韓以外の国からの帰化も拡大──新たな“移民ルート”へ

特筆すべきは、帰化者が中国・韓国以外の国からも急増している点です。法務省の統計によれば、中韓以外の帰化者は過去5年間で倍増しています。

特にネパール、スリランカ、ミャンマーなど、技能実習生や特定技能制度を通じて来日した層が、次第に帰化へとステップアップしている構図です。

これは「外国人労働者の受け入れ」を入り口に、最終的に国籍まで取得する合法的な移民政策の現実化と言えます。

国籍を取れば“政治参加”も可能──選挙と安全保障の観点から

日本では、帰化して国籍を取得すれば、日本人として選挙権・被選挙権が与えられます。これにより、政治的な発言力・影響力も手にすることになります。

もし仮に、中国政府が日本国内の“元中国人”に対して何らかの政治的指示や影響工作を行った場合、すでに日本国籍を有している彼らは、完全に合法の枠内で投票や政治運動を行うことが可能です。

現在は数が少ないかもしれませんが、今後数万・数十万人規模で中国系帰化者が増えた場合、地方選挙や政策決定において無視できない存在になることは明白です。

帰化制度は「国家の入り口」──見直しは急務

日本の帰化制度は、今や「永住権より取得が容易」「審査が非公開」「不服申立ができない」という非常にゆるい制度設計となっています。

そもそも国籍とは、単なるビザや在留許可とは異なり、「国家を構成する正式な一員になること」を意味します。

短期的な労働力不足の穴埋めとして外国人を安易に受け入れる姿勢が、「国家の構成員」を軽視した帰化制度へと波及しているのです。


結論──帰化審査の厳格化なくして、国家の安定はない

国籍は「最後の防波堤」です。

その防波堤を、短期間かつ不透明な審査で突破できてしまう現状は、将来的な治安・経済・政治すべてに悪影響を与える可能性があります。

もちろん、真に日本社会に溶け込み、ルールを守り、日本を愛する外国人が帰化することに反対する声は少ないでしょう。

しかし、国籍を「戦略的に利用」する層がいることも現実です。私たち日本人は、もう一度「国籍」の重みを見直し、帰化審査の厳格化と制度の透明化を求めるべき時期に来ているのではないでしょうか。


なお、当事務所では現在のような甘すぎる帰化制度が見直され、厳格化されるまでの間は、帰化申請のご依頼をお引き受けしておりません。

制度が国の根幹に関わる以上、慎重に扱うべきであるという信念のもと、このような対応を取っております。何卒ご理解くださいますようお願いいたします。