ケーブルカッターを隠し持っていたとして、「金属盗対策法違反」の疑いで逮捕・送検されたベトナム国籍の男性3人について、仙台地方検察庁は不起訴処分としました。
報道によると、3人は金属盗に使用される可能性の高い工具を携帯していた疑いで警察に逮捕されました。しかし最終的に、刑事裁判にかけられることはなく、処分は不起訴となりました。
(出典:Yahoo!ニュース/仙台放送)
金属盗は、インフラ被害や事業者への深刻な損失をもたらす犯罪です。電線やケーブルが盗まれることで、停電や通信障害が発生するおそれもあります。その対策として制定されたのが「金属盗対策法」ですが、今回のように逮捕まで至ったにもかかわらず、不起訴となるケースが続いています。
こうした事例が積み重なることで、「外国人は逮捕されても結局不起訴になるのではないか」「日本人と扱いが違うのではないか」と感じる人が増えているのも無理はありません。
なぜ外国人は不起訴が多いと感じられるのか
不起訴とは、「無実」や「犯罪ではなかった」という意味ではありません。
検察官が、証拠や事情を総合的に判断し、「今回は裁判にかけない」と決めた処分です。
外国人事件で不起訴が多く見える理由として、主に以下のような構造的問題があります。
① 証拠の立証が難しい
今回の事件でも問題となったのは、「所持していた工具を、盗み目的で使う意思があったか」という点です。
工具を持っていただけでは、「犯罪の準備」と断定することが難しく、明確な犯意の立証ができなければ、起訴は困難になります。
② 言語の壁による供述の不安定さ
外国人被疑者の場合、取り調べは通訳を介して行われます。しかし、通訳を通した供述は、日本語で行われる場合に比べ、どうしても曖昧さが残ります。
供述の一貫性や理解度に疑問が生じれば、裁判で争われた際に無罪となるリスクが高まり、検察としては不起訴を選択せざるを得ません。
③ 刑事処分より入管処分を優先する判断
外国人の場合、刑事裁判とは別に、入管による在留資格取消しや退去強制といった行政処分があります。
検察が「刑事裁判で時間とコストをかけるより、入管に委ねた方が合理的」と判断するケースも少なくありません。
その結果、「不起訴=おとがめなし」という印象だけが社会に残ってしまいます。
通訳不足の問題は現場で深刻です
外国人事件における通訳体制の問題は、以前から指摘されています。
- 法律用語や専門用語を正確に訳せない
- 通訳の質に大きなばらつきがある
- 長時間の取り調べに対応できる通訳が不足している
被疑者が「本当に理解して話していたのか」「誘導された供述ではないのか」と争われれば、起訴のハードルは一気に上がります。
結果として、「疑わしきは不起訴」という判断が繰り返されることになります。
Q&A:よくある疑問に答えます
- Q日本人だったら起訴されていましたか?
- A
一概には言えませんが、言語の問題がなく、供述の信用性が高ければ、起訴に踏み切りやすいのは事実です。
- Q不起訴は無罪と同じですか?
- A
違います。不起訴は裁判をしないという判断であり、無罪判決とは全く別のものです。
- Q外国人だから甘く扱われているのですか?
- A
制度上の優遇はありませんが、結果として「甘く見える運用」になっている側面は否定できません。
- Q不起訴後、また同じことをしても問題ないのですか?
- A
再犯や常習性が認められれば、次は起訴される可能性が高まります。
- Q不起訴になった外国人は日本に残れますか?
- A
別途、入管で在留資格の審査が行われ、資格取消しや退去強制になる場合があります。

私たちにできる対策とは
一般市民ができることは多くありませんが、次の行動は重要です。
- 不審な行動や下見のような様子を見かけたら警察に通報する
- 被害に遭った場合、必ず被害届を出す
- 地域で情報を共有し、同様の被害を防ぐ
一件一件の通報や記録が積み重なることで、常習性や組織性が明らかになり、起訴や厳正な処分につながります。
まとめ
今回の不起訴処分は、単なる一地方の事件ではありません。
外国人犯罪の増加、通訳体制の不備、刑事司法と入管行政の連携不足――これら日本社会が抱える構造的な問題が浮き彫りになっています。
「逮捕されても不起訴」「結局、責任を問われない」という印象が広がれば、法の下の公平性に対する信頼は確実に損なわれます。
制度の問題点を直視し、改善を求め続けることが、今後ますます重要になっていくでしょう。




