一度就労ビザを取得してしまえば、簡単に更新できると考えている外国人が多いようです。これは外国人を雇う会社側にも当てはまります。しかし、転職後の更新はそう簡単ではありません。
就労資格証明書とは?
「就労資格証明書」とは、すでに就労ビザを持っている外国人が、転職をする場合に、新しい会社での職務内容が現在の在留資格に該当する内容であること、また、転職後の新しい会社が基準に適合していることなどの審査を行い交付されるものです。
つまり、転職前に持っているビザは前職場に紐づいているものであり、転職先の新しい会社とは関係ありません。そこで、新しい転職先でも引き続き働いてもいいですよという証明が「就労資格証明書」になります。
更新の許可を100%保証するものではありませんが、転職してもいいですよという「お墨付き」だと思ってください。
就労資格証明書の取得は法的には任意ですが、次回更新まで6か月以上在留期間がある場合は、行政書士DNR事務所では取得することをお勧めしています。
なぜ在留期限が6か月以上残っている場合かというのは、就労資格証明書が交付されるまで経験上、大よそ6か月かかるからです。交付申請している間に在留期間が満了してしまうと、交付申請の意味がなくなってしまいます。
「就労資格証明書」を取得するメリット
この就労資格証明書の交付手続きは法的に義務ではなく任意ですが、取得するメリットは、次回ビザ更新申請時の転職先新会社の審査が大幅に省略され、不許可になるリスクを軽減させます。また、短期間で更新許可を取得でき、何より外国人の方の不許可になってしまったら?という不安を解消できます。
就労資格証明書を取得せずにビザ更新をすることも可能ですが、審査内容が新規と同等、つまり、更新ではなく、最初に就労ビザを取得した際の審査内容と同じ審査内容になります。
更新というよりは新しく就労ビザを取得すると考えた方がいいかもしれません。更新云々の前に、いきなり不許可になる可能性もあります。

当事務所に交付申請の代行を依頼された方の就労資格証明書実物
外国人を雇う会社側にも「就労資格証明書」を取得するメリット
外国人を雇う会社側にも「就労資格証明書」を取得するメリットはあります。
・ビザ更新が簡易的(必要書類の軽減)
・転職先の会社で働くことができる入管からの証明書を取得できる
・ビザ更新の不許可の不安解消
・働いている外国人が不法就労ではないと証明できる
就労資格証明書には転職先の会社名、活動の内容(業務内容)、就労することができる期限などが記載されます。つまり入管からきちんと認められて雇用しているという証明書にもなるからです。

Q&A
- Q新しい会社で働き始めた後、もし業務内容が変わったらどうすればよい?
- A
もし入社後に業務内容が変更になり、当初申請した「職務内容」とかなり異なる場合は、再度「就労資格証明書」の交付申請を検討すべきである。これは、新しい業務が現在の在留資格(たとえば「技術・人文知識・国際業務」など)に適合するかを再確認するためである。不適合なまま働き続けると、更新時に不許可になるリスクがある。
- Q「就労資格証明書」を申請せずに転職するメリットはあるか?
- A
法律上、申請は任意であり、必ずしも取得しなければならないわけではない。よって「申請手続きや費用負担を減らす」「手続きをできるだけ簡便に済ませたい」といった事情がある場合は、あえて申請しない選択肢もあり得る。ただし、その場合は次回の更新時に“新規取得時と同等の審査”となる可能性が高まり、不許可リスクが高まる点に留意する必要がある。
- Q「就労資格証明書」の交付申請から交付までどのくらい時間がかかるか?
- A
制度上は「個別事案ごとの審査」によるため明確な期間は公表されていないが、運用実務から「交付まで約数か月かかることもある」とされている。特に申請時点で在留期間が短い場合は、交付前に在留期限が切れてしまう可能性もあるため、余裕をもって申請することが望ましい。
- Q転職先がベンチャー・スタートアップなど、会社の規模が小さくても「就労資格証明書」は取得できるか?
- A
規模の大小そのものが拒否理由となるわけではない。ただし、審査では「会社の決算状況」「事業の実態」「雇用契約の内容」などを重視するため、スタートアップなどであっても、きちんと書類(決算書、会社案内、雇用契約書など)を整え、事業実態が明確であることを示せれば、取得できる可能性はある。
- Q「就労資格証明書」を取得しても、ビザ(在留資格)の更新が必ず認められるわけではないのか?
- A
はい。たとえ「就労資格証明書」を取得していても、それ自体が次回の更新を 100% 保証するものではない。あくまで「新会社・新業務内容について、入管が審査・承認した」という証明であり、更新時には他の要件(収入、水準、会社の存続状況など)も総合的に判断される点に注意が必要である。
必要書類
・就労資格証明書交付申請書
・在留カードとそのコピー
・パスポートとそのコピー
・前職の前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
・退職証明書(前会社発行)
・源泉徴収票(前会社発行)
・転職先の履歴事項全部証明書
・転職先の決算書の写し(直近1年分)
・転職先の会社案内書(パンフレット等)
・転職先との雇用契約書の写し
・雇用理由書(採用に至った経緯や雇用した理由など)
・卒業証明書の写し
・履修証明書の写し
※上記以外に要求される書類がある場合もあります。

就労資格証明書交付申請料金
当事務所へ就労資格証明書交付申請を依頼した場合の料金
| 就労資格証明書交付申請(転職あり) | ¥77,000 (税込) |
|---|---|
| 就労資格証明書交付申請(転職なし) | ¥33,000 (税込) |
国内の人手不足に伴い、大小問わず外国人を雇用する企業も多くなりました。特に飲食業、宿泊業においては、人手不足を契機に求人を募集した企業のうち約60%が「募集しても、応募がない」と観光庁が発表しています。
その反面、雇用する側に外国人雇用の際に知っておかなければならない情報が伝わっていない気がします。知らなくても罪になってしまう「不法就労助長罪」というものもあります。
特に初めて外国人を雇用する場合、もよりの出入国在留管理局か専門の行政書士に相談しましょう。






