外国人に生活保護を出す国とは――人道か不公平か、いま問われる制度の根本

外国人問題

参政党の神谷宗幣議員が厚生労働省に対し、「外国人への生活保護見直し」を求めた国会での質疑が話題になっています。
この発言をきっかけに、X(旧Twitter)上では
「外国人に生活保護を出すのはおかしい」
「日本人より優遇されているのでは?」
といった声が相次ぎ、制度の是非をめぐる議論が再び盛り上がっています。


■外国人は生活保護を受ける法的権利がない

議論の出発点となるのは、2014年の最高裁判決です。
この判決では、次のように明確に述べられています。

外国人は生活保護法の対象ではなく、法的な権利を有しない。

つまり、外国人が生活保護を「受ける権利」を法律上保障されているわけではありません。
しかし現実には、行政が「人道的配慮」として支給を続けており、2023年時点で約4万4千人の外国人(多くは永住者)が生活保護を受けています。

この「法的根拠のない支給」が、制度の曖昧さとして長年問題視されてきました。
厚生労働省は「国際人権規約を踏まえた人道的措置」と説明していますが、法律上の明確な根拠がないため、行政判断で支給のあり方が変わる可能性もあります。
神谷議員が求めたのは、まさにこの“法の外で行われている支給”の見直しです。


■海外ではどうなっているのか

では、他の国々では外国人への生活保護をどのように扱っているのでしょうか。

●アメリカ:永住権保持者にも制限

Q
アメリカの場合は?
A

アメリカでは、連邦政府が支給する生活保護(Public Assistance)は市民または永住権保持者が対象です。
しかし1996年の福祉改革法(PRWORA)によって、永住権を得てから5年未満の外国人には原則として支給されないことが明記されました。
また、非永住者(留学生、短期労働者など)は一切対象外です。

アメリカは「自立できる者だけを受け入れる」という原則を明確にしており、税金で外国人を支えるという発想は基本的にありません。


●ヨーロッパ:国によって温度差

Q
ドイツの場合は?
A

ドイツでは、EU加盟国の市民であっても、就労目的でない滞在者には生活保護が支給されません。難民認定者など、明確な保護対象に限られています。

Q
フランスの場合は?
A

フランスでは、滞在許可のない外国人は支給対象外です。永住許可を得た者に対してのみ最低限の支援が行われます。

Q
イギリスの場合は?
A

イギリスでは、「No Recourse to Public Funds(公的扶助なし)」という条件付きで多くの滞在許可が出されており、生活保護を受ける権利はほとんどありません。

このように、欧州諸国でも「納税している外国人」に限って支援を認めるのが一般的です。
「外国人であっても困っているなら助ける」という人道的発想よりも、「自国民を優先する」という原則が明確に存在しています。


●中国:外国人に生活保護はなし

Q
中国の場合は?
A

中国には、日本のような生活保護制度はありません
自国民向けには「最低生活保障制度(低保)」がありますが、対象は中国籍を持つ国民のみです。
外国人には一切の公的扶助がなく、経済的に困窮した場合は帰国や退去を求められるのが一般的です。

つまり、中国では「外国人に税金を使う」という発想そのものが存在しません
この点で、日本の対応は国際的に見てもかなり特異だといえます。


■日本の現状と課題

日本の生活保護法は1950年に制定され、「日本国民を対象とする」と明記されています。
しかし、戦後の混乱期には旧植民地出身者(朝鮮・台湾)などが日本に残っており、行政は「準用」という形で支給を拡大していきました。
この例外運用が、現在まで続いているのです。

現在、生活保護を受けている外国人の多くは「永住者」や「特別永住者」です。
中には日本語がほとんど話せない人、長期間働かずに生活している人もおり、一部の自治体では外国人世帯の生活保護率が日本人の2倍以上となっています。

真に困っている人への支援はもちろん必要ですが、制度が「抜け道」となっているとの指摘もあります。


■生活保護目当てで入国する外国人も

行政の現場では、生活保護を目的として来日する外国人の存在も問題視されています。
たとえば、高齢の親を呼び寄せて永住ビザを取得させ、その後に生活保護を申請するケースです。
医療費が全額無料になるため、慢性疾患を抱えた親族を日本で療養させる目的で来日させる例も見られます。


その結果、医療費や福祉費が自治体財政を圧迫する状況も出ています。


■「支援」と「線引き」のバランスを

厚生労働省は「国際人権基準を考慮しつつ厳格運用を進める」としていますが、どのように厳格化するのかは明確ではありません。
生活保護は本来、国民の命を守るための最後のセーフティネットです。
外国人への適用範囲をどうするかは、国の根本的な価値観が問われる問題です。

現状のように「法の外で行政判断によって支給を続ける」という仕組みは、法治国家としての筋が通っているとは言えません。
支給を続けるなら法改正を、見直すなら明確な基準を。
政府はこの問題について、国民に対してはっきりとした方針を示す必要があります。


■おわりに

人道的支援は大切ですが、同時に国民の公平感を失わせることは避けなければなりません。
税金によって成り立つ制度である以上、「誰のための福祉なのか」という原点に立ち返ることが求められています。

日本人が汗水流して納めた税金が、当然のように外国人の生活費として支給される現状――。
それを「優しさ」と見るのか、「制度のゆがみ」と見るのか。
今こそ、日本社会全体で真剣に考える時が来ています。